企業利益を最大化するために、現業の不効率を改善したい、生産性を向上したい、と考えている経営者は多いことでしょう。現在抱えている業務上の問題点を解決することで、人や時間、モノの消費によって発生するコストを下げながら同様もしくはそれ以上の成果を出すこと(業務の効率化)は業務改善の一つの目的です。
業務改善というと効率化に注目しがちですが、業務改善にはもう一つ重要な視点があります。それが「有効化」です。小口現金の管理業務を効率化するために、現金出納帳の記録を止めたり、出納帳残高と手元現金残高の一致を確認しないようにするということはしないでしょう。ミスや不正の防止も業務改善の重要なポイントです。押さえるべきところは押さえて、業務をスリム化して効率的に。「効率化」と「有効化」の両方がバランスをとっている必要があるのです。
また、企業活動はいくつもの業務から構成されています。個々の業務の有効性と効率性を達成するだけではなく、企業全体から見た場合に業務が重複したり、必要なチェック体制(内部統制)が備わっていない、ということがないように、全社的な観点から考える必要もあります。
業務改善活動の実施内容は以下のような流れになります。
①現状業務の可視化
現在実施している業務の流れを図式化します。これにより、業務全体を俯瞰することができ、個々の業務がどのように関連しているのか、また、どこに問題点があるのかを発見し易くなります
②問題点の洗い出し
業務上で発生している不効率の内容とその要因、不足しているコントロール(チェックポイント)を洗い出します。
③対応策の検討
②で洗い出した項目について、どのように改善していくかを検討します。
改善の方法は作業現場において現実的か、費用対効果はどの程度か、などを検討し具体的に落とし込むことが重要です。
④対応策の実施
③で検討した対応策を実施します。
⑤モニタリング
改善活動が想定通りに実施されているかを確認し、新たな問題点が発生していないかを確認します。